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セラピー

産業コーチとは

​産業コーチとは

産業コーチとは、パーソンセンタード・アプローチに基本的に依拠する「パーソナリティ発達支援の専門家」であり、自分らしさとも言い換えられる生きやすく活躍しやすいパーソナリティ発達の増進を目指し、コーチングセッションの関係性による発達の機会提供を行う。

​自分らしいパーソナリティ発達の支援とは

自分らしさともいえる自己価値の形成には、重要な他者との関係性、特に受容的関わりが不可欠な要因と考えられています。こうした特定の受容的他者との関係性を通して、自身の社会的認識を構成する自己概念を、自身の価値を認めた内容に再編成されていくことで、日常の社会生活において、より柔軟に自己を発現していくことにつながります。

自身の価値を認められている感覚のことを本来感といいますが、この本来感を向上させていくことは、生きづらさの解消のみならず、活躍のしやすさにも関係していることが示唆されているため、「自分らしい本来の私」を形成していくことは、多くの社会人にとって大切になるといえます。

上記のことから、生きやすい・活躍しやすいパーソナリティの発達は、望めば得られるような機会提供がなされることが重要といえます。

受容的な他者との交流によってパーソナリティの成長を支援するカウンセリングアプローチに、パーソンセンタードアプローチがあります。これは、支援者が精神医学的知識や心理検査などの外的基準からの理解をするのではなく、本人の知覚や価値基準を軸に理解をすすめ、尊重する態度から肯定的に関わっていくことで、本人が自己価値に重きをおけるようになっていく支援です。提唱者のカール・ロジャーズは、ひとが持つ成長傾向を頼る支援を応用して、コミュニティの課題解決やリーダーシップ向上、対人関係の改善などへの適用を打ち出しました。

しかしながら、日本ではメンタルヘルスの文脈で定着し、ケアの実践にとどまっています。

さらに、パーソンセンタードアプローチの影響を受けて誕生したコーチングは、コミュニケーション技法や目標達成の手法という認識が広まっていることと、パーソンセンタードアプローチの理論がコーチ養成課程で教えられていないことなどについて、学術的に批判されています。

そこで、日本産業コーチ協会は、コーチングの原点回帰と再編成によってパーソンセンタードアプローチの本質を再興させることで、コーチングの専門性を図り、真に個人を尊重する立場を確立し、自分らしいパーソナリティ発達に向かう機会提供を支援実践とする「パーソナリティ発達支援の専門家」としての産業コーチを制度化しました。

​産業コーチの実践

ひとの多様性を前提に、目の前のサービス利用者との関わりを通して他者理解を進め、その利用者にとっての「自分らしい発達」が増進されるよう、尊重を伴った関係性を築くことで、その機会提供を行う。

 

産業コーチは、実践に際して以下の能力が求められる。

  1. 自分の感覚にもとづいて内省できること。(そのために、自身の感覚を多角的に承認されること。)

  2. 自身の感覚を否定せずに傾聴し、相手との関係性の中で、どのようなことが起きているのかを内省できること。

  3. 相手を承認していることが、相手とのコミュニケーションで構築される理解や関係性を通した応答によって、伝えられていること。

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